星のお話
善ちゃんの星や宇宙のお話も是非ご覧ください。
<目次>
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ウルトラマンの故郷の星
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春分・夏至・秋分・冬至の話
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軌跡の星 地球
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シリウス 魅惑の星
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オリオン座とオリオン座流星群
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星の誕生
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星の終焉
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マカリイ ハワイの星・注目の星
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地球の自転と公転
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水星
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金星
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天王星
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海王星
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夜空で最も美しい星
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銀河系
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北極星と歳差運動の雑学
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光害ってご存知ですか?
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枕は南向きが良い?
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ヘラクレス座のちょっと変わった話
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夏の大三角
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ペルセウス座流星群
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ガリレオ衛星
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月
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カシオペア座の和名
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アンドロメダ銀河
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視力回復の星?
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昴 ~プレアデス星団~
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星のエンゲージリング&エンゲージリングの雑学
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ふたご座流星群
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クリスマスを彩る星 ~北十字星~
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「日の出」「日の入り」っていつ?
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「月の出」「月の入り」っていつ?
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冬の星空
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春の星空
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しし座の話
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北斗七星の話
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おおぐま座の話 NEW
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こと座の話
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いるか座の話
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ペルセウス座の話
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コートハンガー星団
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いて座の話
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南斗六星の話
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わし座の話
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や座の話
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はくちょう座の話
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太陽 NEW
17.光害ってご存知ですか?
国際宇宙ステーションから若田宇宙飛行士が「日本の夜は明るい」と仰りました。
確かに夜のイルミネーションは美しいですし、そういった夜景の見える人気スポットも多く存在しています。
そうした綺麗なイルミネーションに溢れる夜景を好む人は多いのではないでしょうか?
でも、公害の1つに「光害」があります。
この光害により、星空が見えなくなってきていることは言うまでもありませんが、生活環境を考えるとやむを得ませんよね。
ならば、光害の影響とは?
それは夜間照明が満月の明るさ0.2ルクス(明るさの単位)を超えると、動植物の生態系に様々な影響を与えてしまうのです。
それが光害という公害なのです。
例えば、樹木の開花や紅葉の時期が狂ったり、渡り鳥が本来の進路を見失い迷ったりといった影響です。
更には海がめが海岸で孵化した後、ごく僅かな光で迷って海に帰れないといった事例もあります。
一方、治安悪化により夜道が暗いのは危険を伴いますので、外灯は必要ですし、その他の夜間照明も必要不可欠ですし、これからも増えていかなければならないでしょう。
では、どうするのか?
答えは簡単です。
全ては解決できませんが、ライトに傘を被せるだけです。
これで非常に効果を発揮します。
オフィスの電灯のように電灯の上部のカバーの反射率を高めるとワット数を減らせるのと同じように、外灯は地上方向に有効に反射させるような傘を被せれば良いのです。
そうすれば、もっと省エネで夜道がもっと明るく照らされながらも、上空には光が漏れないため、自然への影響を最小限にとどめられ、私たちの生活と自然との共生が可能となります。
自治体によっては既に実施しているところもありますが、光害の社会的認知の低さにより、予算という大きな壁を崩すことが出来ないのが現状です。
高速道路や外灯は現状のままであれば、単なる浪費であって、更には生態系すら悪影響を及ぼし続けます。
生態系の変化や、樹木の開花や紅葉の時期のズレ、などは全て温暖化によるものといった発想でまとめられている世論が形成されているような感じもしますが、光害も見逃すことの出来ない公害なのです。
天の川の綺麗に見えるところ…、そこは小川にたくさんの蛍が集まっている場所…
幼少時の夏、小さな小川で数え切れないほどの群がる蛍たちを見ました。
そして、頭上には、天の川を中心に多数の星々が綺麗に輝いていました。
小さいながらにも「…空にも蛍がいっぱいいるね…」って感じました。
東京都23区で、天の川が見えなくなったのは1971年7月の足立区が最後。
残念なことに、既に東京都23区で育っている子どもたち、いや、その子どもを育てる親までもが、天の川を日常的に見ることができなってきているのです。
蛍のいるところは、天の川が綺麗に見られます。
天の川は常に同じように淡く優しい光を放っていますが、光害等により見られなくしてしまったのです。
それを感じるかの如く、蛍もその場所から姿を消してしまうのです。
夏の静寂な場所でしか見られない、地には小川付近に群がる蛍の無数の光、上空には天の川を中心とした星々の輝き…、天と地の情景のシンメトリー…
素晴らしい自然の世界だからこそ、後世へ守り伝え、蛍も天の川も綺麗に見える場所がドンドンと増えていくことを願っています。
幼少期に見たこの地と空の、ほんのかすかな光の現象ですが、壮大でロマン溢れる光景で、言葉では表現できない美しさを覚えた思い出として頭の中で今も鮮明に蘇ってきます。
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