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爆発じゃないよ! 破裂だよ! 「燃焼と爆発」のお話

風船がパーンと割れると「爆発した!」って児童からそんな声を良く聞きます。


でも、それは爆発ではありません。

破裂です。




どっちでも良いじゃんって感じですが、破裂も危険ですが、爆発は大変危険な化学反応で、そういった声が平然と多く飛び交う社会はあまりよろしくないのではと思ってしまいます。


やっぱりテレビでも「頭の上の巨大な風船が爆発します」なんて言っていることも多いのですから仕方ないのでしょうが、本当の爆発の恐ろしさと、破裂の恐ろしさをしっかりと線引きし理解しておいた方が日常生活でも役立ちます。



【ものが燃えること、爆発すること】

ものが燃えるということを燃焼といい、これは一般に燃えるものが酸素と結びついて熱と光を出す反応です。


燃焼のための条件は3つあります。

1つは、燃えるものがあること(気体・液体・固体)

2つ目は燃やすもの(酸素)があること

3つ目は燃えるのに十分な温度(発火点以上の温度)があること




一方、爆発は、爆音や熱の発生を伴う急激な燃焼のことをいいます。

たとえば、可燃性の気体や可燃性液体の蒸気を空気(酸素)と適当な割合で混合したものに点火すると、爆発的に燃焼することがあります。

爆発のような激しい反応をするか、あるいは単に炎を上げて燃えるかは、空気(酸素)との混ざり具合が、ある範囲(爆発限界)にあるかどうかで決まります。

加えて、一般に爆発の起きる環境はある程度密閉された空間内という条件も加わります。

単純に大きな炎がボワっと起きても、それは燃焼です。


ちなみに、自動車のエンジンではガソリンの蒸気と空気の混合物にプラグの火花で点火して爆発的な燃焼を起こさせ、その力をクランクに伝えて動力としています。

結構、運転するということは目の前で危険な爆発が繰り返されている危険な環境とも言えるのです。




以上、難しい定義を記しましたが、平和的な志向の私たちにとって、何でも「バーン」「パーン」といった大きな音を聞くと「爆発した!」と笑いと共に発言してしまえる環境は、危機管理の乏しさを考慮すると、良いのでしょうか?


破裂は風船を割るだけ、ビニル袋を膨らませ叩くだけでできますが、爆発も同様で知識さえあればもの凄く簡単に行えてしまいます。

だからこそ、正しい知識を持つ以前に、爆発の恐ろしさを知ってもらいたいと強く願っています。


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