TV番組制作に携わる方から「この実験の解説をお願いします」と言う依頼でこの実験と出会いました。
まずは動画をご覧ください。
次に着火前と着火後の画像をご覧ください。
【着火前】
【着火後】
見事に1本のマッチ棒が浮き上がっています。
燃焼により2本の頭薬(とうやく)部分が溶着されるので、木棒部分は浮き上がると言うもの。
くどいようですが、マッチ棒が浮き上がると言う結果が正解と言う実験です。
うーん…、
木棒も反り上がる(浮き上がる)のは燃焼による大きな上昇気流と同時に木から炭に変わる際に体積が収縮するためのようですが…。
次の動画をご覧ください。
木棒部分は上がらず不規則な動きをしています。
この動画に限らず何度も試みましたが、ほとんど動かなかったり、上がらなかったり、木棒部分の動きは一定ではありませんでした。
やはり、木材は木表に反るのが一般で、これの影響を受けやすいマッチ棒もあること、また安定した燃え方をしないため「浮き上がる作用」だけの上昇気流等が作れないこと、等により必ず浮き上がることはなく、多くは違った動きをしてしまいます。
実験を重ねた結果は
「マッチ棒が浮き上がる実験とは言えない」
でした。
やっぱり、見るだけでなく実際に試すといろいろと発見や考察が生まれます。
科学実験の実際に行う大切さと、そのおもしろさを紹介したいと思った実験の1つです。
【お願い】
火を使う実験ですので、必ず「安全第一」に徹し、保護者や専門の知識のある人と一緒に行ってください。
科学実験動画や実験解説をネットで簡単に検索でき、その情報も溢れるほど多い世の中です。
そして「それが絶対に正しい」と鵜呑みすることはとても危険なことです。
そのとき「本当?」と疑う心を持つことも大事なのです。
動画を見て「そうなんだ~」「信頼できる人の動画だから正しいんだ~」と思い込んでしまう時代(環境)だからこそ、敢えて、いったんとどまり、自身で調べたり試してみる等の行為が重要となってくるのです。
ですので、科学実験の「実際に自身で同じことできる」と言う1つのメリットを生かしましょう!
「行ってみた結果が同じかどうか体験を持って確かめることができる」、つまり知識を体験・証明を持って確信できるのです。
こうした実験を重ね、同じ結果が必ず生まれるようにするのが、私たちの生活を豊かにする「科学技術」です。
科学を裏切らない技術の素晴らしさの確立の苦労と素晴らしさを日常にある科学技術を見つけて感じてほしいのです。
科学も学ぶだけではなく、日常を便利にする知識や技術として活用し、初めて先人たちが築き上げてきた科学の恩恵を受けられ、科学という学問の意義が発揮されるのです。
常日ごろ、「ふ」(不、負)を無くすという「気付きの発想」を持っていると、凄い発明家や科学者になれるの近道と言えましょう!
Comments