耳かきのフワフワの名前は「梵天」と書き、「ぼんてん」と読みます。

梵天はアヒルの羽毛で作られているものが多く、本来の正しい使い方は
耳かきの最後に耳の入り口付近を拭う程度
です。
耳の奥まで突っ込んで出すと、とても気持ち良いのですが、これは絶対にやってはダメなこと。
耳垢を多量に押し込んでしまうため、耳垢栓塞(じこうせんそく)という耳垢が固まってしまい耳の穴が塞がってしまいます。
ここで、
【試したくなる「輝いて見える」実験】
梵天を水に浸けてみましょう。
どうなるでしょうか?
輝いて見えます。

【画像は少し輝きが少ないですが、実際は綺麗に輝いて見えます】
これは、信じられないことに濡れないことによります。
照明によっては漬け込んだ時に、それは綺麗な銀色に輝くボールに見えるのです。
梵天が濡れず、梵天と空気が水に包まれ、その光の散乱と反射により輝いて見えます。
梵天が濡れないことと照明の明るさが成功のポイントです。
でも梵天は何故濡れないのでしょう?
【梵天が濡れない理由】
羽毛の構造として、元羽軸(もとうじく)から羽枝(うし)がはえ、そして、羽枝から小羽枝(しょううし)が無数にはえています。
羽枝からの小羽枝が隣の羽枝の小羽枝と絡み合っているため、少々、水の中に漬け込んでも、梵天の中に水が浸み込みにくく、空気の層が逃げにくいため、少々水に浸す程度では梵天が濡れることがないのです。
たとえが下手かもしれませんが、別の身近なモノでイメージするならば、食器を洗うスポンジが乾いた状態で、水にそっと漬け込んで取り出しても、中は濡れていない(空気が含まれ脱出できていない)状態と同じようなイメージです。
ご覧の通り、水に漬け込んだ後は表面に水はついていますが、中まで浸透していません。
ただ、何度も何度も濡らすと、この効果が小さくなってしまいます。
生きている鳥の羽は脂腺を塗りワックスのように撥水加工を施していますが、梵天はしっかりと洗浄されているため、このワックス効果はありません。
さらに余談ですが、生きている鳥についている場合は「羽」、鳥から離れた場合は「羽根」と使い分けをします。
日常にちょっとした工夫をすると劇的に効果が上がったり、便利になったりします。
こうした発想が発明を生み、そして、それが特許と言った知的財産へと繋がり、商品化されることもあるのです。
科学も学ぶだけではなく、日常を便利にする知識として活用して、初めて先人たちが築き上げてきた科学の恩恵を受けられ、科学という学問の意義が発揮されるのです。
常日ごろ、「ふ」(不、負)を無くすという「気付きの発想」を持っていると、凄い発明家や科学者になれるの近道と言えましょう!
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