今回は「眠り猫と雀・・・日光東照宮」のいろいろな雑学です。
江戸時代、徳川秀忠、家光によって完成した日光東照宮には多くの彫刻が施されています。
その総数は5,173本あって、それぞれ意味を含み、人物であったり、霊獣、花鳥風月、様々です。
例えば、有名な「見ざる・云わざる・聞かざる」は「子どもは悪いことを見たり、言ったり、聞いたりしないで、素直に育ちなさい」と教えているそうです。
荘厳な日光東照宮、そして彫刻群の中に、1つだけ違和感を感じざるを得ない彫刻があります。
将軍家康の霊廟(れいびょう…偉人や先祖を祀った宮)、奥宮(おくみや)の入り口にある猫、「眠り猫」です。
これらは左 甚五郎(ひだり じんごろう)作と伝えられる有名な彫刻です。
左甚五郎とは江戸時代初期の大工・彫刻師で、伝説の名工と呼ばれた人物です。
なぜ、眠り猫を一番大切とも言える霊廟を守る入口に彫られたのでしょうか?
諸説あります。
猫なので、鼠一匹通さない、不浄なものは通さないという説。
しっかりと踏ん張っている眠り猫は、本当のところ眠っているフリをしていて、家康を護るためにいつでも的に飛びかかれる姿勢をしているという説。
もっとも伝えたかったと言われている説は以下のとおりです。
眠り猫が彫られた蟇股(かえるまた…社寺建築で、梁や桁の上に置かれる輪郭が山形をした部材を言います)の裏側に、花に囲まれて2羽の雀が彫られています。
猫は雀を襲いますが、眠っている猫は雀を襲いません。
共存共栄しています。
戦国時代も終わり、久々に日本が平和になった証。
家康が願った平和と安定を彫ったと言われる説です。
日光東照宮を訪ねて、平和と安定を改めて感じ、その継続が幸せなのかなって思えた次第です。
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