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太陽ってどんな天体…分かり易くまとめてみました(2024年3月27日更新)

かつてより憧れていても実際には望遠鏡を買うお金や望遠鏡を扱う手間も考えて、自分でできなかった太陽の撮影ができるようになりました。

子どものころに図鑑で見ていた専門性の高い画像が自分でも撮影できる言う感覚は計り知れませない感動です。





 

ここでは

とお話ししています。



 

【太陽の基本的データ】

※基本データは天文の仕事をしていたときにまとめたもののため、最新と比べ異なっているかもしれません。


●大きさ

◆直径 約140万km(地球の約109倍、体積は130万倍)

◆質量 約1.99×1030kg(地球の約33万倍) ← 太陽系の全質量の99.866%を占める

 

●特徴

◆平均的な恒星、黄色い光のG2型の主系列星

◆中心部の密度は水の160倍、温度は1,500万度:中心部の密度は160g/cm³(太陽の平均密度は1.41g/cm³)

◆表面温度は6,000度

 

●組成

◆中心部では、水素35%、ヘリウム63%、その他2%

◆表面付近では、水素70%、ヘリウム28%、その他2%


●実視等級 -26.8等級

●絶対等級 +4.7等級

●太陽と地球の平均距離 約1億5千万km=1天文単位(1AU)

↑ 光の速さで約8分20秒。時速200kmの新幹線で85年もかかる距離にあります。


●黒点の位置の変化(複数の画像の黒点の位置や数を見比べてください。画像1より2、2より3の方が黒点の多いことに気が付くでしょう。

<画像1 Seestar S50 2024年3月15日>


<画像2 Seestar S50 2024年3月20日>


<画像3 Seestar S50 2024年3月22日>


<画像4 Seestar S50 2024年3月22日>

※画像の彩度を下げてみると、黒点やその周囲の模様がくっきりと見易くなります。


<画像5 Seestar S50 2024年3月27日>

黒点が相当数現れていて太陽の活動が活発なのが分かります。


<画像6 Seestar S50 2024年3月27日>

※画像の彩度を下げてみると、黒点やその周囲の模様がくっきりと見易くなります。





 

【太陽は酸素のない宇宙で燃えているのは何故でしょう?】

ものが燃えるには、酸素と熱が必要です。

逆にいうと、酸素と熱があれば、ものが燃え、これを燃焼といいます。確かに酸素がないと、ものが燃えないことは事実です。

では、太陽はどうやって輝いているのでしょう。

太陽の中心部はとても高圧高温になっていて、そこでは水素がすごいスピードで走り回っています。

そして、激しくぶつかり合い、次々に結びついてヘリウムという別の元素に変わっています。この反応を熱核融合反応と呼んでいます。

水素がヘリウムになる際に、4個の水素の合計より少し重さが減り、その分がエネルギーに変わり莫大なエネルギーが生み出されるのです。このエネルギーは、次第に表面に運ばれ、光や熱となって宇宙空間に放たれます。



 

【太陽の表面】

●光球

光球とは肉眼や写真で観察される太陽表面の厚さ約150kmの層のことをいい、太陽が放射する光の大部分はこの光球から発せられるものです。また、光球面では黒点や、白斑、粒状斑などの現象が観測できます。光球の表面温度は約6,000度の高温です。

 

●黒点

黒点は太陽の表面に黒いシミのように見えます。これは黒点が周りより1,500~2,000度低い温度しかないからです。黒点は一定の周期で増えたり減ったりします。つまり、太陽の活動が活発な時(約11年周期)に多く出現します。

 

●白斑

白斑は光球面で周りより白く見える筋状のもので、周りより200~600度程高い温度です。

 

●粒状斑

粒状班は太陽の内部からのガスが湧き出したり、沈み込んだりしているところで、太陽全面に見えますが、とても細かい模様なので、気流が安定していないと観察しにくいものです。


●コロナ

コロナは太陽の外層をとりまく温度が100万度以上の密度の薄いガスです。コロナ中の原子は電離しているので、コロナの大気はプラズマの状態となっています。

 

●彩層

彩層は光球面とコロナの間にある1,500kmほどの薄い層のことです。光球面より温度はやや高く、密度は低い部分です。彩層では、場所によって温度がちがうために、明暗のまだらがみえます。

 

●フレア

フレア(閃光)は太陽のコロナの一部分で、突発的に多量のエネルギーが放出される爆発現象です。

 

●プロミネンス(紅炎)

プロミネンス(紅炎)は、太陽面から外に高く吹き出すガスの突出で、炎のような形、アーチ型、竜巻型などさまざまな形をしています。また、短時間で出現・成長・衰退・消滅する変化の激しいものや、数日間も静止しているものなどと様々です。温度やガスの密度は、彩層にほぼ同じです。


 

<こちらの方が黒点がたくさん見えます>

※時間ごと日ごとで黒点の数はめまぐるしく変化します。




 

【太陽による現象】

●虹

太陽といった白色光がプリズムを通ると、光はそれを構成する波長に分かれます。こういった光の成分を、ひとまとめにスペクトルといいます。虹が出た時に見ているのはこれです。この場合、空気中の水滴がプリズムの働きをしています。


●オーロラ

オーロラは北極、南極といった極地方で見られます。オーロラは主に太陽から飛来する陽子と電子の群が地球の超高層大気粒子に衝突して、超高層大気の分子や原子などを励起し発光させる現象です。

 

●日食

日食は太陽の前を月が横切ると、太陽が月によって隠されることです。太陽と月(新月)と地球が一直線に並ぶときに起きます。太陽の直径は月の400倍で、月より400倍も遠くにあるため、地球からの両者の見かけの大きさはほとんど同じになります。このため、新月が太陽の全面を通り過ぎ、太陽をすっぽりと覆い隠す時に皆既日食となります。

【2012年の金環日食で映された木陰】


●停電

太陽はほぼ11年周期で黒点の数が増え、表面での爆発現象(フレア)が頻繁に起きるようになります。爆発で強いX線や高いエネルギーを持つ微粒子が飛び出し地球に降り注ぐと、地磁気が激しく乱れます。この「磁気あらし」が大規模に起こると、停電や通信などのトラブルを引き起こします。


●ハロ(光冠)

以下のブログにて画像付きでまとめています。



 

【太陽の雑学】

●日の出と日の入りの太陽の位置は?

この日の出、日の入りというのは、どの瞬間なのでしょうか。

実は太陽の「ヘリ」が地平線にかかった瞬間のことをいいます。つまり、日の出とは太陽のヘリが地平線に顔を覗かせた瞬間、日の入りとは太陽の上のヘリが地平線に沈んで、太陽がまったく見えなくなった瞬間です。

では、これから類推して、月の出、月の入りも同じように決められているのだろうと思ってしまうのですが、そうもいかないのが現実です。月の出、月の入りとは、月の中心が地平線にかかった瞬間をいうのです。

なぜ月の場合は太陽と違う基準を採用しているのか。考えてみれば当然ですが、月には満ち欠けの現象があるからです。上のヘリと決めたのでは、三日月の時などはほんの小さな点ですから、観測が難しくなります。月の中心でしたら、三日月の場合でも、この一部から円の中心を求めるのと同じなので、すぐに分かるというわけです。


下のイラストで日の入りは①となります。


下のイラストで月の入りは②となる訳です。


●なぜ空は青いのでしょう?

太陽の光は分光器を通してみると、虹の7色に分かれる白色光です。この7色にはそれぞれ違った波長があり、赤に近い光は波長が長く、紫に近い光は波長が短くなります。太陽の光が地球の大気に入ると、波長の短い紫色や青色の光は散乱(レイリー散乱)して大気中に散らばります。この散らばる青い色が空の色として見えるのです。 


●なぜ夕焼けは赤いのでしょう?

夕焼けが赤いのも光の波長が原因です。朝と夕方には太陽光が通過する大気の層はもっとも厚くなります。そのために、紫色や青色だけでなく、緑色まで散乱します。波長の長い赤色や黄色だけが、人の目に届くので赤っぽく見えるのです。 



 

太陽ついて興味を持っていただけたら、また星や宇宙に興味を持っていただけたら、まずはこちらをご覧ください。

善ちゃん(北沢善一)が分かり易くオリオン座も含め星空案内をしています。


綺麗な星空が見られる地球でありますように。

天文・宇宙に興味を抱く人が一人でも増えますように。




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