似ているようで区別の仕方が意外と知られていない蓮と睡蓮。
食べるレンコンとして、モネの描いた名作「睡蓮」と、人には密接に関係している植物です。
ここでは、簡単に雑学として区別のお話をします。
【睡蓮】
【葉】
蓮・・・水を弾く撥水性があり(注1)、ツヤツヤとした光沢がありません。また葉の形が丸いのが特徴です。
睡蓮・・・撥水性がなく、光沢があります。葉の形は切れ込みがあり、個人的には桃のような感じの形と思えます。
【花】
蓮・・・水面より数十cm~2mほどまで高く咲きます。
睡蓮・・・水面近くに浮かぶように咲きます。
【茎・根】
蓮・・・細い地下茎(ちかけい)が肥大化して断面に大きな穴のあるのが特徴で、蓮根(れんこん)として食べられます(例外に観賞用の蓮もあります)。
睡蓮・・・地下茎はありますが、ワサビのような形で断面に大きな穴もありません。
【その他】
水蓮と睡蓮の違い・・・スイレンをパソコンなどで打ち込み変換すると、水蓮と睡蓮とどちらも候補として出てきますが、水蓮というものはなく、睡蓮が正しいのです。
睡蓮は睡(ねむ)る蓮と書きますが、これは朝(未明)に花が咲き夜につぼみ、また朝に花が開き夜につぼむ繰返しを約3日間見られます。その後、花がつぼみ(花弁を閉じ)、水中に沈んでしまいます。昼に咲き夜につぼむ様子から蓮に似た「睡(ねむ)る蓮」なので睡蓮と名付けられたそうです。
(注1)・・・ヨーロッパでは蓮をロータスと言い、蓮の撥水性、つまり水を弾く効果を「ロータス効果」と呼び、この性質を生かした様々な技術が開発され、生活に用いられています。
【睡蓮】
※葉の切れ込みが確認できます
日常にちょっとした工夫をすると劇的に効果が上がったり、便利になったりします。
こうした発想が発明を生み、そして、それが特許と言った知的財産へと繋がり、商品化されることもあるのです。
科学も学ぶだけではなく、日常を便利にする知識として活用して、初めて先人たちが築き上げてきた科学の恩恵を受けられ、科学という学問の意義が発揮されるのです。
常日ごろ、「ふ」(不、負)を無くすという「気付きの発想」を持っていると、凄い発明家や科学者になれるの近道と言えましょう!
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