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科学実験「ミルクの王冠」撮影とお話

更新日:2020年5月24日

有名な「#ミルクの王冠」。

英語では「#ミルククラウン」(#milkcrown)と呼ばれています。


あまりきれいではありませんが、一応、それらしき姿を撮影できました。

子どもの頃に「いつかは撮ってみたい」と夢見た写真(画像)でしたから、本当に感動しています。

デジタル化、技術の進歩に感謝します。


【まあまあ「王冠」でしょ?】


 

【撮影方法】

4K連写 シャッター速度1/500秒

で何回も撮影し、その中で一番「王冠」っぽい画像が撮れました。

もちろん、オリジナルとして4K画像は大切に他のフォルダーで保存しています。


牛乳を薄皿に入れ、スポイトで上から牛乳を滴下します。

その動きを連写撮影するだけです。

ただ、落とす高さや量、皿の中の牛乳の深さによって、形成されるかどうかが決まってきます。



 

【ミルククラウンの形成】

古くから表面張力によってミルククラウンは形成されてきたとまことしやかに言われてきましたが、正しくはありません。


もちろん、ミルク(牛乳)のような粘性のある液体(流体)でなければできませんが、外部の空気(流体)の密度も大きく影響を与えています。

2つの流体の境界面で働く力で、密度の大きい流体から小さい流体へ作用します。

大雑把ですが、これをレイリーテイラー不安定性と言い、ミルククラウンは密度の大きい牛乳と密度の小さい空気によるレイリーテイラー不安定性よって形成されると考えられています。


以下のでは「牛乳」と「水」を滴下する比較実験を行った動画です。

同じ瞬間の姿も静止画で比較できるように編集しています。



 

【コマ送り静止画】

牛乳と水の王冠のできる前後をコマとして静止画を並べてみましたので、それぞれの液体の特徴を比較してご覧になってください。



1.牛乳の滴下10コマ ミルククラウンができる前から崩れたあとまでを10コマで並べてみました。

中心部に1滴の牛乳が落下し波の伝達の増幅が原因で起きている様子が分かります。

王冠がなくなったとは中心部の窪み方向へ牛乳が集まり、増幅された牛乳が柱のように持ち上がり、そして外側へ波が起き、外側と内側へ波が起き打ち消し合い、波が落ち着くと言った水紋が見られます。




2.水の滴下12コマ

王冠っぽい形が見えたあとの柱の上がる高さと、その際に水滴が飛び上がる様子が水の特徴です。


 

日常にちょっとした工夫をすると劇的に効果が上がったり、便利になったりします。

こうした発想が発明を生み、そして、それが特許と言った知的財産へと繋がり、商品化されることもあるのです。



科学も学ぶだけではなく、日常を便利にする知識として活用して、初めて先人たちが築き上げてきた科学の恩恵を受けられ、科学という学問の意義が発揮されるのです。



常日ごろ、「ふ」(不、負)を無くすという「気付きの発想」を持っていると、凄い発明家や科学者になれるの近道と言えましょう!






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